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メルセデス・ベンツC63 AMG '08 [AMG]

【メルセデス・ベンツC63 AMG】


カタログは全18ページ。
表紙はフロントマスクを上部から写したものになっており、C63 AMGならではのパワードームとフェンダーをアピールしている。

AMGのカタログは、2000年にAMG車の輸入権がAMGジャパン(当時)からダイムラー・クライスラー(当時)に移管されるまでは、通常のメルセデスのカタログとは別の独立したカタログとなっていた。 

ダイムラー・クライスラー(当時)に移管後もC32 AMGやSLK32 AMGのカタログぐらいまでは、独立したカタログが発行されていたが、SL55 AMGから通常のメルセデスカタログと統合されるようになり、一部のスペシャルモデルを除き、車種ごとのAMGカタログは消滅し現在に至っている。
そして、それはAMGが初めて開発した自社製エンジンを積む63シリーズになっても同様であった。


しかし、C63 AMGについてはCクラスのカタログには掲載されておらずに、メルセデス・ベンツ総合カタログ及びAMG総合カタログに掲載されるにとどまっている。(2008年1月現在)


代わりにC63 AMG単体カタログが作成されており、このC63 AMGだけそうなのか、それともこれからのAMGモデルが単体カタログになるのか非常に興味深いところである。


今回は珍しいドイツ本国版「C63 AMG」カタログを中心にお伝えしていこう。


見開きをはじめ、DTMマシーンのAMG Cクラス レーシングツーリングカーやレーサーも、至る所に登場して、C63 AMGに投入された技術がモータースポーツからフィードバックされていることを無言のうちに語っているようだ。


○エクステリア

AMGモデルは1993年にメルセデスとの共同開発車C36 AMGをリリースして以来、それまでのいかにもチューニングカーらしい威圧的なスタイリングから一転、控えめなエアロパーツを身に纏い、メルセデス各クラスのトップグレードとして「見る人が見ればわかる」大人のスポーツメルセデス的な位置づけとなった。

 

しかし、このC63 AMGではボンネットの2本のパワードーム、大型のエアインテークを備えるフロントスポイラー、張り出したフェンダー、内側がブラックアウトされたヘッドランプ、チタニウムグレーペイント5スポークスアルミホイールに4本出しのマフラーと、明らかに通常のCクラスとは一線を画すスタイリングが与えられ、メルセデスと提携する前の往年のAMGを思い起こさせる。


数年前のAMGはノーマル然としたスタイリングに、スポーツカー顔負けの動力性能を秘めていたクルマであったことからカタログでも「羊の皮を被った狼」と表現されていたが、今は羊の皮を脱ぎ捨て、走り始めたようだ。

 

ちなみに独立させた丸型フォグランプに2本のパワードームという手法は、初代Mクラス(W163)に設定されたML55 AMGでも使われていた。

通常のCクラスのラインナップにあるC300アバンギャルドSもAMGスタイリングパッケージ(フォグランプの位置などがC63のものと異なり、厳密には同じでない)を装着しているが、C63 AMGと比べるとノーマルのように感じられる。

グリルも一見するとアバンギャルドと同じようなスポーツグリルに見えるが、よく見るとクロームで周りが縁取られていて、ここも差別化が測られていることがわかる。

 

○インテリア

インテリアは通常のCクラスはもとより、それまでのAMGモデルとも異なるテイストである。
セミバケットタイプを採用した前席のAMGスポーツシートとレーシングマシーンを彷彿とさせるボトムフラットタイプのステアリングが目を引き、専用のメーターパネルとアルミニウムのパドルシフト、ステンレスのアクセル&ブレーキペダルが色を添える。

ちなみにボトムフラットステアリングは先にアウディのRS4でも採用されており、C63 AMGでも採用したここで一気に広まっていきそうな予感がする。

インテリアはナッパレザーとアルミニウムトリムが奢られているが、日本仕様ではブラックバードアイメープルウッドが標準装備になる。

○エンジン

一連の63シリーズと同様にC63 AMGにもAMGが開発した高回転型の6.3L(正確には6208cc)のDOHC V型8気筒エンジンが搭載される。

ただし最高出力は457psと同じエンジンを搭載しているS63 AMG(525ps)やE63 AMG(514ps)と比べるとパワーを抑えられている。

先代のCクラス(W203型)をベースとしたCLKのCLK63AMGが481psであることを考えると、物足りないと考えるユーザーもいそうだが、1730kgのボディーに457psは、過剰ともいえるほど強力であり、歴代のCクラスAMGモデルと比べても、最強である。

・参照データ

AMG190E 3.2/234ps
C36 AMG/280ps
C43 AMG/306ps
C55 AMG(W202)/347ps
C32 AMG/353ps
C55 AMG/367ps
C63 AMG/457ps

 

それまでのAMGはメルセデスのエンジンをベースとして、排気量の増大やスーパーチャージャーの装着でパワーアップを測っていたが、63シリーズのV8は、現行のメルセデスにある273型エンジン(5.5L DOHC V型8気筒)をベースとしたものではなく、全く独自に開発したものである。

すでにチューニングカーの域を脱しているAMGであるが、ベースエンジンをチューニングするのではなく、一から開発してしまうあたり、もはやメーカーの域に入りつつあることを印象付ける。

ちなみにメルセデスV8がオープンデッキ式なのに対して、AMGのV8はクローズドデッキ式で高いブロック剛性を確保している。

 

AMGのエンジンには1機、1機にそのエンジンを組み上げたマイスターの名が刻まれたプレートが装着され、なおさら特別なクルマに乗っていることを実感させられる。

 

○メカニズム

C63 AMGには3ステージESPが採用されている。

これは手動でESPのモードを切り替えることが出来るものである。

通常走行用の「ESP ON」モードに加え、カウンターステアを当てるようなダイナミックな走行も許容してくれるような限界領域の高い「ESP SPORT」全く作動しない「ESP OFF」モードの3つが選べ、本格的なスポーツ走行から通常の走行まで幅広いシーンに対応してくれる。

ただし、ブレーキを踏むと「ESP ON」に切り替わり、安全設計にも抜かりがない。

AMGである前にメルセデスであるといったところか。

 

○ステーションワゴン

本国版カタログには日本では未発表のステーションワゴンも収録されている。
日本でも正式発表も待ち遠しいところだ。
(2008年1月23日現在)

※ちなみにこちらは日本版単体カタログ。


本国版と同じようなイメージだが、こちらはセダンのみでワゴンは登場しない。


◆◆◆◆◆◆◆◆データベース◆◆◆◆◆◆◆◆

【メルセデス・ベンツ C63 AMG】

■C63 AMG
車両形式:CBA-204077
エンジン形式:156
エンジン種類:DOHC V型8気筒
総排気量(cc):6,208
ボアx ストローク(mm):102.2×94.6
最高出力PS/rpm:457/6800
最大トルク kg・m/rpm:61.2/5,000
燃料供給方式:電子制御式
ミッション形式:電子制御7速A/T

●ボディカラーデータ

ファイアオパール
カルサイトホワイト
オブシディアンブラック
ペリクレースグリーン
タンザナイトブルー
カーネリアンレッド
キューバナイトシルバー
テクノライトグレー
イリジウムシルバー
パラジウムシルバー
サンディンベージュ

●インテリアトリム&カラー

■メルセデス・ベンツ C63 AMG
トリム:アルミニウムパネル(本国版)
    ブラックバードアイメープルウッド(日本仕様)
シート素材:本革(ナッパレザー)
シートカラー:ブラック/サハラベージュ/リーフグレーなど

参照:メルセデス・ベンツ C63 AMGカタログ本国版(2007版)

参照:メルセデス・ベンツ C63 AMGカタログ日本版(2008年1月版)


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