BMW M3 セダン '08 [BMW]
【BMW M3 セダン】
M3セダンはBMW子会社のBMW M社が3シリーズをベースに開発した高性能モデルである。現行モデル(E90)はノーマルの3シリーズには設定のないV型8気筒エンジンを搭載し、420psものハイパワーを発生するハイパフォーマンスモデルになっている。
M3クーペは1986年の初代発売以来、モデルチェンジを重ね、現在では4代目となっているが、セダンは先代モデル(E46)では設定されず、先々代モデル(E36)以来の久々の登場である。
カタログは全26ページ。
表紙はレーストラックを疾走するM3が飾っており、レーシングテクノロジーが惜しみなく注入されたマシンであることを物語っているようだ。2008年4月現在、M3のカタログはどちらかというと、本カタログよりもプレカタログという位置づけになっており、サイズは23.5cm×18.5cmと、BMWの他の本カタログと比べても小さい。しかしながら印刷・製本はしっかりドイツ本国となっている。
○M3の成り立ち
M3は1972年にBMWの研究部門から独立したBMWモータースポーツ社が、1885年にモータースポーツのホモロゲーション獲得の為に、当時の規定に沿って開発したモデルである。
初代M3はサーキットで勝利することを目的に作られたスパルタンなモデルであったが、2代目以降はレーシングテクノロジーを応用した高性能モデルという位置づけになってきている。
BMWモータースポーツ社は1993年には社名をBMW M社として、BMWをベースとした高性能モデル(M3やM5)の開発やBMWインディビデュアルと呼ばれる内外装のオーダーメイドプログラムなどを手がけるようになり、モータースポーツ関連事業はBMWモータースポーツCo.,Ltdとして拠をイギリスに移した。
○エクステリア
M3セダン(E90)のエクステリアは3シリーズをベースとしているが、
ヘッドライト周りやフロントエアダム、そしてパワードームからフェンダーアーチに至るまでフロント部分は完全なオリジナルになっている。M3クーペに採用されたカーボンファイバー製ルーフに関しては、セダンでは採用されていない。
・フロント
力強いフロントエアダム。印象的なキャッチコピーはスポーツカーとしての動力性能とサルーンとしての高い実用性を有したM3セダンのオールラウンドな性能をアピールしている。
・リア
ブレーキをかけながらコーナーに侵入するM3セダン。M3はベンチレーテッド・ドリルド・コンパウンド・ディスク・ブレーキを装備。耐熱性に優れたブレーキは、このような高速コーナリング時においても確かな制動力を発揮する。またDSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)も走行安定性の向上に一役買っている。
・サイド
この角度から見ると、M3の特徴的なサイドグリルとフロントのパワードームが良くわかる。
エクステリアのページは全てレーストラックをバックに構成されており、サーキットに対するMのこだわりが感じられる。
○インテリア
赤と青のステッチとMのロゴが入ったステアリング、そしてMスポーツシートが装備される以外は、M3セダンのインテリアはノーマルのE90型3シリーズとそんなに変わらない。
ただし、トリムやシート素材はノーマルとは一線を画し、3シリーズセダンでは設定のないノヴィロレザーやブラック・レザー・カーボン・ストラクチャー・トリムなどが設定されている。(写真のトリムはアルミニウム・シャドー・トリム)
参考:ブラック・レザー・カーボン・ストラクチャー・トリム(M3クーペ 2007年版カタログより)
現在のところ、M3はセダン・クーペ共にトランスミッションは6速マニュアルのみの設定であるが、今後はVWのDSGのような、新開発の7速2ペダルM/T、M・DCT(ダブル・クラッチ・トランスミッション)が用意される予定である。その場合はステアリングにパドルシフトが装備される。
HDDナビゲーション・システムやiDriveコントローラーは標準装備となる。
○M3のディティール
M3のフェンダーにはエアインテークと一体になったM3ロゴ付ホワイトターンインジケーターが装備される。またエアロダイナミクスを追求したドアミラーもM3の専用設計であり、スポーティーな感じがしてカッコ良い。
メーターパネルもM3専用のデザイン。スピードメーターは330km、タコメーターは9000回転まで刻まれる。実際には250kmでリミッターがかかる。レブリミットも8400回転である。リアにはデュアルテールパイプを備えたMエキゾースト・システムが装備される。
○エンジン
M3セダン及びクーペが搭載するのは最高出力420ps/8,300rpmを発生する高回転型の4リッター
V型8気筒エンジンである。エンジンコードは「S65B40A」。頭文字の「S」はM社製のエンジンであることを表す。
M3のV8エンジンはBMWの5シリーズや7シリーズに搭載されるN62型V型8気筒エンジンではなく、M5やM6に搭載される5リッターV型10気筒エンジン(S85B50A)をベースとして8気筒化したものである。シリンダーヘッドやクランク等は新しく設計されているが、90度のバンク角や92.0×75.2のボア×ストローク、12.0:1の圧縮比はV10エンジンのそれと同じである。
またクランクケースに特別なアルミ-シリコン合金を使用する等した為に、エンジンの重量はV型8気筒エンジンにも関わらず、先代のM3(E46)の直列6気筒エンジンよりも15kg以上軽量化されている。
8つのシリンダーには独立したスロットル・バタフライが与えられ、MダブルVANOS/バリアブル・カムシャフト・コントロールによって、どのような回転域であっても力強い加速を引き出すことができる。
オプション設定される「M Drive パッケージ」を選ぶと、エンジンレスポンスに加え、ダンパーやステアリングの設定を変更できる。
○BMW M3クーペ
こちらはM3クーペのカタログ。セダンとクーペのカタログは別々になっている。
◆◆◆◆◆◆◆◆データベース◆◆◆◆◆◆◆◆
【BMW M3 セダン】
■M3 Sedan
車両形式:ABA-VA40
エンジン形式:S65B40A
エンジン種類:V型8気筒DOHC
総排気量(cc):3,999
ボアx ストローク(mm):92.0×75.2
圧縮比:1:12.0
最高出力PS/rpm:420/8,300
最大トルク kg・m/rpm:40.8/3,900
燃料供給方式:デジタル・モーター・エレクトロニクス(DME/電子燃料噴射装置)
ミッション形式:6速マニュアル・トランスミッション
●ボディカラー
ブラックⅡ(668)
アルピン・ホワイトⅢ(300)
シルバーストーンⅡ(A29)
ヘレス・ブラック(A73)
スパークリング・グラファイト(A22)
インテルラゴス・ブルー(A30)
メルボルン・レッド(A75)
●シートマテリアル&カラー
・ノヴィロレザー[標準装備]
ブラック(NCSW)
パラディウム・シルバー(NCH1)
バンブー・ベージュ(NCH3)
フォックス・レッド(NCH2)
・エクステンド・ノヴィロレザー[オプション]
ブラック(NDSW)
パラディウム・シルバー(NDH1)
バンブー・ベージュ(NDH3)
フォックス・レッド(NDH2)
カッコ内はコード。
●インテリアトリム
[標準装備]
チタニウム・シャドー・トリム
[オプション]
アルミニウム・シャドー・トリム(ブラッシュ仕上げ)(4MX)
ブラック・レザー・カーボン・ストラクチャー・トリム(4MY)
アンソラジット・シカモア・ウッド・トリム(4MZ)
カッコ内はコード。
参照:BMW M3 セダン カタログ(2008年版)
◆E90の他モデルたち
・BMW 3シリーズ セダン
・ALPINA B3 BITURBO
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M3セダンはBMW子会社のBMW M社が3シリーズをベースに開発した高性能モデルである。現行モデル(E90)はノーマルの3シリーズには設定のないV型8気筒エンジンを搭載し、420psものハイパワーを発生するハイパフォーマンスモデルになっている。
M3クーペは1986年の初代発売以来、モデルチェンジを重ね、現在では4代目となっているが、セダンは先代モデル(E46)では設定されず、先々代モデル(E36)以来の久々の登場である。
カタログは全26ページ。
表紙はレーストラックを疾走するM3が飾っており、レーシングテクノロジーが惜しみなく注入されたマシンであることを物語っているようだ。2008年4月現在、M3のカタログはどちらかというと、本カタログよりもプレカタログという位置づけになっており、サイズは23.5cm×18.5cmと、BMWの他の本カタログと比べても小さい。しかしながら印刷・製本はしっかりドイツ本国となっている。
○M3の成り立ち
M3は1972年にBMWの研究部門から独立したBMWモータースポーツ社が、1885年にモータースポーツのホモロゲーション獲得の為に、当時の規定に沿って開発したモデルである。
初代M3はサーキットで勝利することを目的に作られたスパルタンなモデルであったが、2代目以降はレーシングテクノロジーを応用した高性能モデルという位置づけになってきている。
BMWモータースポーツ社は1993年には社名をBMW M社として、BMWをベースとした高性能モデル(M3やM5)の開発やBMWインディビデュアルと呼ばれる内外装のオーダーメイドプログラムなどを手がけるようになり、モータースポーツ関連事業はBMWモータースポーツCo.,Ltdとして拠をイギリスに移した。
○エクステリア
M3セダン(E90)のエクステリアは3シリーズをベースとしているが、
ヘッドライト周りやフロントエアダム、そしてパワードームからフェンダーアーチに至るまでフロント部分は完全なオリジナルになっている。M3クーペに採用されたカーボンファイバー製ルーフに関しては、セダンでは採用されていない。
・フロント
力強いフロントエアダム。印象的なキャッチコピーはスポーツカーとしての動力性能とサルーンとしての高い実用性を有したM3セダンのオールラウンドな性能をアピールしている。
・リア
ブレーキをかけながらコーナーに侵入するM3セダン。M3はベンチレーテッド・ドリルド・コンパウンド・ディスク・ブレーキを装備。耐熱性に優れたブレーキは、このような高速コーナリング時においても確かな制動力を発揮する。またDSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)も走行安定性の向上に一役買っている。
・サイド
この角度から見ると、M3の特徴的なサイドグリルとフロントのパワードームが良くわかる。
エクステリアのページは全てレーストラックをバックに構成されており、サーキットに対するMのこだわりが感じられる。
○インテリア
赤と青のステッチとMのロゴが入ったステアリング、そしてMスポーツシートが装備される以外は、M3セダンのインテリアはノーマルのE90型3シリーズとそんなに変わらない。
ただし、トリムやシート素材はノーマルとは一線を画し、3シリーズセダンでは設定のないノヴィロレザーやブラック・レザー・カーボン・ストラクチャー・トリムなどが設定されている。(写真のトリムはアルミニウム・シャドー・トリム)
参考:ブラック・レザー・カーボン・ストラクチャー・トリム(M3クーペ 2007年版カタログより)
現在のところ、M3はセダン・クーペ共にトランスミッションは6速マニュアルのみの設定であるが、今後はVWのDSGのような、新開発の7速2ペダルM/T、M・DCT(ダブル・クラッチ・トランスミッション)が用意される予定である。その場合はステアリングにパドルシフトが装備される。
HDDナビゲーション・システムやiDriveコントローラーは標準装備となる。
○M3のディティール
M3のフェンダーにはエアインテークと一体になったM3ロゴ付ホワイトターンインジケーターが装備される。またエアロダイナミクスを追求したドアミラーもM3の専用設計であり、スポーティーな感じがしてカッコ良い。
メーターパネルもM3専用のデザイン。スピードメーターは330km、タコメーターは9000回転まで刻まれる。実際には250kmでリミッターがかかる。レブリミットも8400回転である。リアにはデュアルテールパイプを備えたMエキゾースト・システムが装備される。
○エンジン
M3セダン及びクーペが搭載するのは最高出力420ps/8,300rpmを発生する高回転型の4リッター
V型8気筒エンジンである。エンジンコードは「S65B40A」。頭文字の「S」はM社製のエンジンであることを表す。
M3のV8エンジンはBMWの5シリーズや7シリーズに搭載されるN62型V型8気筒エンジンではなく、M5やM6に搭載される5リッターV型10気筒エンジン(S85B50A)をベースとして8気筒化したものである。シリンダーヘッドやクランク等は新しく設計されているが、90度のバンク角や92.0×75.2のボア×ストローク、12.0:1の圧縮比はV10エンジンのそれと同じである。
またクランクケースに特別なアルミ-シリコン合金を使用する等した為に、エンジンの重量はV型8気筒エンジンにも関わらず、先代のM3(E46)の直列6気筒エンジンよりも15kg以上軽量化されている。
8つのシリンダーには独立したスロットル・バタフライが与えられ、MダブルVANOS/バリアブル・カムシャフト・コントロールによって、どのような回転域であっても力強い加速を引き出すことができる。
オプション設定される「M Drive パッケージ」を選ぶと、エンジンレスポンスに加え、ダンパーやステアリングの設定を変更できる。
○BMW M3クーペ
こちらはM3クーペのカタログ。セダンとクーペのカタログは別々になっている。
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【BMW M3 セダン】
■M3 Sedan
車両形式:ABA-VA40
エンジン形式:S65B40A
エンジン種類:V型8気筒DOHC
総排気量(cc):3,999
ボアx ストローク(mm):92.0×75.2
圧縮比:1:12.0
最高出力PS/rpm:420/8,300
最大トルク kg・m/rpm:40.8/3,900
燃料供給方式:デジタル・モーター・エレクトロニクス(DME/電子燃料噴射装置)
ミッション形式:6速マニュアル・トランスミッション
●ボディカラー
ブラックⅡ(668)
アルピン・ホワイトⅢ(300)
シルバーストーンⅡ(A29)
ヘレス・ブラック(A73)
スパークリング・グラファイト(A22)
インテルラゴス・ブルー(A30)
メルボルン・レッド(A75)
●シートマテリアル&カラー
・ノヴィロレザー[標準装備]
ブラック(NCSW)
パラディウム・シルバー(NCH1)
バンブー・ベージュ(NCH3)
フォックス・レッド(NCH2)
・エクステンド・ノヴィロレザー[オプション]
ブラック(NDSW)
パラディウム・シルバー(NDH1)
バンブー・ベージュ(NDH3)
フォックス・レッド(NDH2)
カッコ内はコード。
●インテリアトリム
[標準装備]
チタニウム・シャドー・トリム
[オプション]
アルミニウム・シャドー・トリム(ブラッシュ仕上げ)(4MX)
ブラック・レザー・カーボン・ストラクチャー・トリム(4MY)
アンソラジット・シカモア・ウッド・トリム(4MZ)
カッコ内はコード。
参照:BMW M3 セダン カタログ(2008年版)
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